みんながかかる病気
慢性腎臓病

CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%未満に低下する(GFRが60mL/分/1.73m²未満)か、タンパク尿などの腎臓の異常が3か月以上続く状態をいいます。
年をとると腎機能は低下していきますから、高齢者になるほどCKDが多くなります。高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い(脂質代謝異常)、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓病、家族に腎臓病の人がいる場合は要注意です。さらにCKDは、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の重大な危険因子になっています。
つまり、腎臓を守ることは、心臓や脳などの血管病を防ぐことにもつながります。
CKD(慢性腎臓病)の予防
CKD(慢性腎臓病)の初期には、ほとんど自覚症状がありません。貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、病気がかなり進行している可能性もあります。定期的に尿検査や血液検査を受けましょう。肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣は、CKDの発症に大きく関与しています。メタボリックシンドロームになるとCKDの発症率が高まります。
CKDの治療の目的は、透析が必要な末期腎不全への進行を遅らせることと、心血管疾患を防ぐことです。まず、生活習慣の改善が重要です。肥満の改善や減塩を心がけ、規則正しくバランスのとれた食事をとりましょう。腎機能が低下した場合は、たんぱく質の摂取量について主治医や管理栄養士に相談しましょう。たばこを吸っている人は、禁煙に努めてください。高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある人は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
世界保健機関(WHO)では、成人の食塩摂取量を1日5g未満とする目標を掲げています。日本人の食塩摂取量は、この目標値を上回っています。減塩を心がけることが大切です。
塩味がうすいと美味しくないという方がほとんどです。実は、塩味(しょっぱい味)そのものは美味しさではありません。味の基本ですが、食塩をなめ続けることはできないし、海水を飲み続けると、高ナトリウム血症になり、命に関わることがあります。しょっぱい味に慣れてしまっただけです。実際、イギリスではパンの塩分を毎週5%ずつ減らしても気づかれず、6週で25%もの減塩に成功しました。その後、パン以外のケチャップやマヨネーズなどあらゆる食品メーカーに依頼して少しずつ塩分を減らすことができました。その結果、イギリス国民の血圧は低下し、心臓病や脳卒中の死亡率が低下したそうです。
しょっぱい味に慣れてしまっただけです。少しずつ減塩すれば、薄味にも慣れていきます。塩味だけでなく、酸味、甘味、苦味、うま味に加えて、ショウガ、ニンニク、大葉、ミョウガ、わさびなどの薬味や、パセリ、オレガノ、バジル、ローズマリーなどのハーブ、ウコン、ターメリック、パプリカ、胡椒などの香辛料を使って、深い味わいを楽しみましょう。これぞ、料理の妙味です。Dr.山本は、減塩で食物繊維たっぷりのおいしい健康料理のレシピをYouTubeで発信しています。ぜひ参考にしてください。
慢性腎臓病の原因
慢性腎臓病と総称される病気のうち、代表的なものに次のような3つがあります。
- 糖尿病性腎症
糖尿病の合併症のひとつで、腎臓の働きが低下する。 - 腎硬化症
高血圧と加齢が影響し、糸球体が障害される。 - 慢性糸球体腎炎
何らかの免疫異常や炎症が関わって発症する。IgA腎症や膜性腎症などを含む。
慢性腎臓病の分類
- ハイリスク群:90以上(CKDのリスクファクターがある場合)
G1:正常または高値(90以上)
G2:正常または軽度低下(60〜89)
G3a:軽度〜中等度低下(45〜59)
G3b:中等度〜高度低下(30〜44)
G4:高度低下(15〜29)
G5:末期腎不全(15未満)