みんながかかる病気
認知症

認知症は、さまざまな病気が原因で起こる状態です。代表的なものに、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって起こり、障害を受けた脳の部位によって症状が異なります。脳卒中が繰り返されると、認知機能が段階的に低下することがあります。
症状は、障害を受けた脳の部位によって異なります。認知機能の低下に加えて、手足の麻痺、言語障害、飲み込みの障害などがみられることがあります。脳卒中は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や心臓の病気が原因となることがあります。
アルツハイマー型認知症では、脳内にアミロイドβやタウタンパク質などが蓄積し、神経細胞の働きが徐々に低下すると考えられています。記憶に関わる海馬などの脳領域にも変化が生じ、進行に伴って脳の萎縮がみられることがあります。脳の血行障害が起こると進行が早くなることがわかっています。
アルツハイマー型認知症の原因は、まだ完全には解明されていません。アミロイドβやタウタンパク質などの蓄積、炎症など、複数の要因が関係すると考えられています。
予防法
1.生活習慣病を予防・治療する
生活習慣病や脳血管障害の予防・治療は、認知症リスクの低減にもつながる可能性があります。
2.運動する
適度な運動は、認知機能の維持や健康管理に役立つ可能性があります。無理のない範囲で、日頃から身体を動かすことが大切です。
3.達成感を味わう
楽しさや達成感を感じられる活動を、無理のない範囲で生活に取り入れることが大切です。
4.他人と交流する
他者とのコミュニケーションも認知症予防に有効です。脳を刺激するほか、気持ちにも豊かさをもたらします。家族との会話、ご近所や自治会の交流、共同作業を行うなどの機会をもち、参加しつづけることが大切です。
5.ご本人が望んで生活に取り入れる
認知症予防で重要なのは、本人が無理なく楽しみながら継続できることです。ガーデニングやウォーキングなど本人の趣味を生活に取り入れて、習慣化できる環境を整えてあげましょう。
認知症予防の10か条
- 1. 塩分と動物性脂肪を摂りすぎないバランスのよい食事を
- 2. 適度に運動を行い足腰を丈夫に
- 3. 深酒とタバコは減らし規則正しい生活を
- 4. 生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早期発見・治療を
- 5. 転倒に気をつけよう!頭の打撲は認知症を招くことも
- 6. 何事にも興味と好奇心をもつように
- 7. 考えをまとめて表現する習慣を
- 8. こまやかな気配りをしたよい付き合いを
- 9. いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
- 10. くよくよしないで明るい気分で生活を
薬物療法
認知症の治療では、認知機能の低下や、認知症に伴う症状に対して薬物療法を行うことがあります。アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)や軽度の認知症の一部では、抗アミロイドβ抗体薬が治療の選択肢となる場合があります。適応や副作用、治療方法は薬によって異なるため、医師と相談して決めます。
行動・心理症状(BPSD)がみられる場合は、症状に応じて薬物療法を行うことがあります。
抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬などの向精神薬のほか、漢方製剤が使われることもあります。
不安や幻覚・妄想、せん妄、徘徊については、抗精神病薬や、双極性障害治療薬が用いられることがあります。興奮には抗精神病薬のほか、抑肝散という漢方製剤が処方されることがあります。また、うつ状態や性的逸脱行為などにはSSRI、SNRIなどの抗うつ薬、睡眠障害には睡眠薬などが使用されます。
薬を使用する場合は、副作用に注意し、医師・薬剤師の指示に従って使用することが大切です。