血管を若くしよう
動脈硬化
動脈硬化症はもはや国民病で脳卒中と心臓病を合わせた血管病は日本人の死因の第三位になっています。さまざまな生活習慣の乱れから、動脈硬化の危険因子である、内蔵肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症が生じます。さらに喫煙、飲酒などの嗜好や精神的なストレス、睡眠不足が相互に相乗的に作用して動脈硬化が進んでいきます。最近では、脂肪肝、慢性腎臓病、高尿酸血症が動脈硬化のリスクとして認識されています。これらは、生活習慣を見直すことで改善することができます。それに加えて、薬物によって治療しコントロールすれば動脈硬化のリスクは大幅に減らすことができます。
血管外科で扱う病気は主に足の動脈硬化によるものです。歩行時の足の痛みで気づくことが多いですが、年のせいとあきらめていることが少なくありません。足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)にかかった患者さんの命は大腸がんにかかったと同じ程度であることが分かっています。足の動脈硬化は全身の動脈硬化の現れですので、動脈硬化の進行を抑えるべく積極的な管理が望まれます。