美容とアンチエイジング
肝斑とレーザートーニング
美容とアンチエイジング|肝斑
あきらめていた肝斑に、
レーザートーニング。
肝斑は、ふつうのレーザーを当てるとかえって濃くなるため、長いあいだ「レーザーで治せないシミ」とされてきました。弱い出力の光を顔全体に繰り返し当てるレーザートーニングなら、肝斑を刺激しすぎずに、少しずつ薄くしていくことが期待できます。
研究でわかっていること
42研究・1,736人
肝斑へのレーザートーニングを調べた研究をまとめた2022年の総説では、多くの研究で肝斑の改善が報告されています。
Lee YS, et al. Medicina 2022;58(7):936
肝斑ってどんなシミ?
肝斑は、両頬の高いところに、左右対称にもやっと広がる薄茶色のシミです。輪郭がはっきりせず、額や口のまわりに出ることもあります。
- 多い方:30〜50代の女性。男性にもみられます
- 悪化させるもの:紫外線、女性ホルモンの変化(妊娠・ピルなど)、洗顔やマッサージでこする刺激
- まぎらわしいシミ:老人性色素斑やADMと重なっていることが多く、診察で見分けることが大切です
ふつうのレーザーとの違い
肝斑のメラノサイト(メラニンを作る細胞)は、刺激にとても敏感です。強い光で一気に壊そうとすると、その刺激でかえってメラニンを作り、濃くなってしまいます。レーザートーニングは、刺激を抑えた弱い光で、少しずつメラニンを減らしていく治療です。
スポット照射・IPL
強い光でメラノサイトが刺激され、肝斑が濃くなることがあります。当院では、肝斑の部分にはスポット照射やIPLを行いません。
レーザートーニング
弱い出力の光を、大きな照射径で顔全体にムラなく当てます。1回ごとの変化はゆるやかですが、回数を重ねて少しずつ薄くしていきます。かさぶたはできず、当日からメイクができます。
当院のレーザートーニング
シミ治療と同じトライビーム PREMIUM(QスイッチNd:YAGレーザー)の、肌の奥まで届く1064nmの波長を使います。光の強さが平らにそろう「トップハット」の照射に加え、1回分の光を2回に分けて当てる「PTP機能」で、肌への刺激をさらに抑えます。
回数と間隔の目安:1〜2週ごとに、10回前後
少しずつ薄くなっていくイメージです。変化の出方や必要な回数には個人差があります。施術は全顔で15分ほどで、赤みは数時間で引くことがほとんどです。
効果を高める3つの組み合わせ
研究でわかっていること
2009〜2022年に発表された42の研究(1,736人)をまとめた総説から、主な結果を紹介します。よい結果だけでなく、注意すべき点もお伝えします。
| 効果 | 多くの研究で、見た目と数値の両方で肝斑の改善が報告されています。アジアでは肝斑のレーザー治療として広く行われています。 |
|---|---|
| よく行われる方法 | 1〜2週ごと、単独では9〜10回ほど |
| 組み合わせ | トラネキサム酸の内服などを組み合わせると、改善の度合いが高まったという報告があります。 |
| 再発 | 治療を終えると再発しやすく、ある研究では1年後に34人中20人が再発しました。紫外線対策と維持治療が大切です。 |
| 注意すべき副作用 | 肌がまだらに白く抜ける「点状白斑」が、東アジアの報告で約10%にみられます。回復には年単位かかることがあり、照射の出力と回数を控えめにすることで防ぎます。 |
出典:Lee YS, Lee YJ, Lee JM, et al. The Low-Fluence Q-Switched Nd:YAG Laser Treatment for Melasma: A Systematic Review. Medicina. 2022;58(7):936.
使用する機器の承認について
トライビーム PREMIUM(医療機器承認番号 30400BZI00024000)は、色素性病変の治療を目的として国内で承認された医療機器です。ただし、肝斑への低出力照射(レーザートーニング)は、添付文書に記載された適応症例・照射方法には含まれていません。
- 入手経路
- 国内の製造販売業者(Jeisys Medical Japan 株式会社)から購入
- 国内の承認機器の有無
- 肝斑の治療を効能・効果として国内で承認されたレーザー機器はありません
- 海外での安全性の情報
- 海外の総説(上記)で、主な有害事象として点状白斑、反動性の色素沈着、再発が報告されています
料金
| 内容 | 回数 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| レーザートーニング 全顔 | 1回 | 11,000円 |
費用は全額自己負担(自由診療)です。回数は肝斑の状態によって異なり、1〜2週ごとに10回前後が目安です。飲み薬を併用する場合の費用は、診察時にご説明します。
合併症・リスク
- 赤み・ほてり:照射直後に出て、多くは数時間で引きます。
- 点状白斑:肌がまだらに白く抜けることがあります。回復に年単位かかることがあります。
- 反動性の色素沈着:かえって色が濃くなることがあります。
- 再発:治療を終えると、紫外線やホルモンの影響で再び濃くなることがあります。
- 効果の個人差:改善の程度や必要な回数には個人差があります。
治療を受けられない方
- 光線過敏症の方、光線過敏を起こす薬を飲んでいる方
- 悪性の可能性があるシミがある方
- 妊娠中・授乳中の方(安全性が確立されておらず、ホルモンの影響で肝斑も変化しやすい時期です)
- てんかん、自己免疫疾患、ケロイド体質の方は慎重に判断します
肝斑かどうか、まずは診察で
肝斑はほかのシミと重なっていることが多く、見極めが治療の第一歩です。レーザートーニングは自由診療(保険適用外)です。お電話 0563-65-5581