血管を若くしよう
たんぱく質のとり方
血管を若くしよう|食品と栄養 ④
筋肉と血管を支える
たんぱく質
体は食べたものから毎日つくり変えられています。良質なたんぱく質をしっかりとることは、メタボ対策でも、年齢を重ねてからのフレイル予防でも大切です。
院長より
食欲が落ちてきた方、体重が減ってきた方こそ、良質なたんぱく質を。卵は料理に加えると食べやすくおすすめです。
体は、食べたもので毎日生まれ変わる
私たちの体は、すべて自分が食べたものからできています。かたくて変わらないように見える骨でさえ、1年に5分の1が作り変えられ、約5年で新しい骨に生まれ変わります。腸の粘膜はわずか1〜2日、血管の内皮細胞は約1000日で入れ替わります。
新しい細胞の材料は、すべて食べ物です。中でもたんぱく質は、筋肉や血管、皮膚、骨の土台、ホルモンや免疫のしくみをつくる、体の「建築材料」です。
ダイエット中も、たんぱく質は減らさない
体重を減らすときは、食べる量全体を減らして総カロリーを抑えるのが基本です。ただ、そのままではたんぱく質も不足して、脂肪ではなく筋肉が減ってしまう心配があります。
たんぱく質は必要な量をしっかり確保して、減らすのは炭水化物か脂質にしましょう。主食のごはんやパン、甘いもの、揚げ物や脂の多い料理が見直しの候補です。
肉は「赤身」を選べば良質なたんぱく質源
肉のたんぱく質そのものは良質で、メタボ対策のために肉を制限する必要は特にないと考えています。問題は、肉と一緒に動物性の脂(飽和脂肪酸)をとりすぎてしまうこと。赤身の肉には、血管を広げる物質(NO)の材料になるアルギニンも豊富です。
食品の選び方
おすすめのたんぱく質源
たんぱく質は、いろいろな食品から組み合わせてとるのが理想です。日本の伝統的な食事の主役である大豆と魚は、血管を守る栄養もいっしょにとれる優秀な食材です。
大豆・大豆製品
「畑の肉」と呼ばれ、乾燥大豆の約30%がたんぱく質。必須アミノ酸がすべて含まれ、体によい不飽和脂肪酸、カルシウム、食物繊維、イソフラボンも豊富です。納豆は発酵でビタミンKが加わり、さらにおすすめ。
魚
良質なたんぱく質に加えて、オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)、骨を丈夫にするカルシウムやビタミンDも豊富です。牡蠣やあさりなどの貝類には、亜鉛やマグネシウムが含まれます。
卵
必須アミノ酸がすべて含まれ、ビタミンAやEも豊富な「完全栄養食品」。炒め物や煮物、スープに加えると食べやすく、料理にこくが出ます。1日1個を目安に。悪玉コレステロールが高い方は食べすぎに注意しましょう。
赤身の肉・鶏肉
良質なたんぱく質とアルギニンの供給源。脂身を落とす、ゆでる・網焼きにするなどの調理で、余分な脂を減らしましょう。ハム・ソーセージなどの加工肉は塩分やリンが多いので控えめに。
乳製品
ヨーグルトは発酵でたんぱく質が一部分解され、消化吸収されやすくなっています。カルシウムも豊富。水切りしたギリシャヨーグルトは、たんぱく質が濃縮されています。糖分の少ないものを選びましょう。
フレイル予防
年齢とともに減る筋肉「サルコペニア」
筋肉の量は25〜30歳ごろから少しずつ減り始め、生涯を通して進みます。これをサルコペニアといいます。背中やおなか、お尻や太ももなど、体を支える大きな筋肉が衰えると、歩くのが遅くなり、転びやすくなります。
サルコペニアは骨粗しょう症とも関係が深く、転倒・骨折をきっかけにさらに動けなくなる悪循環に陥りがちです。筋肉からは動脈硬化を防ぐ物質(マイオカイン)も出ているため、筋肉が減ると動脈硬化も進みます。心と体の活力が落ちた「フレイル」の入り口にもなります。
ビタミンDが不足すると、骨だけでなく筋肉量や筋力も低下することがわかっています。ビタミンDは魚やきのこ、卵に多く含まれます。
高齢の方の「体重減少」は要注意
若い方と違い、高齢の方の体重減少は脂肪ではなく筋肉が減っていることがあります。65歳以上ではBMI 21.5〜24.9が目安とされ、若い世代より下限が高くなっています。メタボ対策で食事を減らしすぎて低栄養になると、かえってフレイルにつながります。
メタボ対策とフレイル対策は矛盾しない
脂ギトギトの焼き肉ばかりでは、年齢に関係なく体によくありません。一方で、食欲が落ちて体重が減ってきた方、筋肉が衰えてきた方には、ぜひ良質なたんぱく質をしっかりとっていただきたいと思います。
「脂は控えめ、たんぱく質はしっかり」。これがメタボ対策にもフレイル対策にも共通する食事の考え方です。スクワットなど筋肉に負荷をかける運動(レジスタンス運動)と組み合わせると、より効果的です。
腎臓病の方へ
慢性腎臓病などで、たんぱく質を控えるよう指示されている方は、主治医の指示に従ってください。
今日からできる、たんぱく質の工夫
- 毎食、たんぱく質のおかずを1品。朝は卵・納豆・ヨーグルトが手軽です。
- 週に何回かは魚の日を。缶詰や干物も上手に活用しましょう。
- 肉は赤身や皮なしの鶏肉を。ハム・ソーセージなど加工肉は控えめに。
- 大豆製品をもう一品。味噌汁に豆腐、冷ややっこ、納豆ごはん。
- 運動とセットで。スクワットや早歩きで、とったたんぱく質を筋肉に。
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このページは、院長の著書『血管を若くする最強メソッド5』の内容をもとに、ホームページ向けにまとめ直したものです。持病のある方や治療中の方は、食事の内容について主治医にご相談ください。
監修:福地クリニック院長 山本清人(経歴・資格)