血管を若くしよう
脂質(油)の選び方
血管を若くしよう|食品と栄養 ②
油を選んで
血管を守る
油は体に欠かせない栄養素。大切なのは量と種類です。魚やオリーブオイルなどの油を選び、とりすぎと「トランス脂肪酸」に気をつけましょう。
院長より
肉そのものは良質なたんぱく質源です。問題は一緒についてくる脂。赤身を選び、魚の日を増やしましょう。
油は大切な栄養。でも、とりすぎやすい
脂質は1gあたり9kcalと、炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギーをもっています。体の中で作ることのできない必須脂肪酸や、脂溶性のビタミンを運ぶ役割もあり、なくてはならない栄養素です。
一方で、油を食べると脳の「報酬系」が反応して満足感や幸福感が得られるため、いわばやめられなくなる性質があります。現代の食生活では、意識しないととりすぎてしまい、肥満の原因になります。
沖縄の教訓
かつて日本一の長寿県だった沖縄は、肉の脂のとりすぎ(総カロリーの30%以上)や野菜不足が進み、肥満やメタボリックシンドロームが急増しました。伝統的な沖縄料理では、豚肉を一度ゆでて余分な脂を落としてから使っていました。
脂肪酸の種類
あぶらの種類を知ろう
油は、含まれる「脂肪酸」の種類によって体への働きが大きく変わります。量を控えるだけでなく、どの油を選ぶかが血管を守るカギです。
- オメガ3系・オメガ6系は体の中で作れない必須脂肪酸。食事からとる必要があります。
- オメガ6系(リノール酸)は適量ならコレステロールを下げますが、とりすぎると逆効果になることがあります。
- オメガ9系(オレイン酸)は適量で動脈硬化を防ぐ働きがあります。体内でも作れるので、とりすぎないことが大切です。
- 飽和脂肪酸は肉やバターなど動物性の脂に多く、常温で固まります。とりすぎると悪玉(LDL)コレステロールが増えます。
オメガ3系脂肪酸
魚の油「EPA・DHA」
野菜をほとんど食べず、アザラシなどの動物の脂から多くのカロリーをとっているグリーンランドの先住民族イヌイットは、心筋梗塞が少ないことが報告されました。アザラシの脂には、エサの魚に由来するオメガ3系脂肪酸が豊富に含まれていたのです。
研究の結果、EPA(イコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)には、血栓ができるのを抑え、炎症を抑えて動脈硬化の進行を抑える働きがあることがわかりました。純度の高いEPAは、日本では閉塞性動脈硬化症や中性脂肪の高い方の治療薬として使われています。日本の研究では、コレステロールの値とは別に、心臓の病気を減らす効果が示されています。
- いわし・あじ・さばなどの小型の青魚は、水銀などの汚染の心配が少なくおすすめです。
- 鮭はオメガ3系に加えて、抗酸化作用のあるアスタキサンチンやビタミンDも豊富です。
- マグロなど大型の魚は水銀がたまりやすいため、食べすぎに注意。妊娠中の方は特に量に気をつけましょう。
- 魚の油は体によい油ですが、カロリーは高いので食べすぎには注意しましょう。
注意したい油
できるだけ避けたい「トランス脂肪酸」
液体の植物油に水素を加えて固めるときにできるのが、トランス脂肪酸です。マーガリンやショートニングに含まれ、それを使ったパン・ケーキ・ドーナツ・クッキー、スナック菓子、フライドポテトなどの揚げ物にも含まれます。ふんわり・サクサクの食感を作り、酸化しにくい「魔法の油」として広く使われてきました。
ところが、トランス脂肪酸は悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)コレステロールを減らして、心筋梗塞などの動脈硬化の病気を増やすことがわかりました。世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸からとるエネルギーを総エネルギーの1%未満にするよう示しており、使用を禁止している国や地域もあります。
原材料表示をチェック
日本では表示の義務がないため、原材料の「マーガリン」「ショートニング」「ファットスプレッド」を目安にしましょう。脂質異常症や肥満の方、その心配がある方は特に控えることをおすすめします。
コレステロールと卵のこと
コレステロールは細胞の膜やホルモンの材料になる、生きていくのに欠かせない脂質です。体のコレステロールの約7割は肝臓で作られ、食事からは約3割です。肝臓でうまく処理できないと血液中のコレステロールが上がります。
卵にはたんぱく質やビタミンが豊富ですが、コレステロールも多く含まれています。健康な方は1日1個を目安に、悪玉コレステロールが高い方は食べすぎに注意しましょう。詳しくは脂質異常症のページもご覧ください。
今日からできる、油の工夫
- 肉は赤身を選び、脂身は落とす。ゆでて脂を落とす、網焼きにするなどの調理も効果的です。
- 週に何回かは魚料理の日に。缶詰のさばやいわしも手軽です。
- 揚げ物・炒め物・洋菓子の回数を減らす。外食ではメニュー選びで調整を。
- 調理油はオリーブオイルなどを「適量」。体によい油でも、量が増えればカロリーオーバーです。
- 小腹がすいたら無塩のナッツを少量。スナック菓子の代わりに。
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このページは、院長の著書『血管を若くする最強メソッド5』の内容をもとに、ホームページ向けにまとめ直したものです。持病のある方や治療中の方は、食事の内容について主治医にご相談ください。
監修:福地クリニック院長 山本清人(経歴・資格)