血管を若くしよう
腸活②プロバイオティクス
血管を若くしよう|食品と栄養 ⑥
発酵食品で
善玉菌をとり入れる
ヨーグルト、チーズ、味噌、納豆、キムチ、ぬか漬け。善玉菌を含む発酵食品を「プロバイオティクス」といいます。日本の伝統食は、腸活の知恵の宝庫です。
院長より
納豆は大豆の栄養に、発酵で生まれるビタミンKとナットウキナーゼが加わった、毎日食べたい日本の健康食です。
プロバイオティクスとは
プロバイオティクスとは、ビフィズス菌や乳酸菌など、人の腸にすむ善玉菌の仲間のことです。食品では、ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料、ぬか漬け、味噌、キムチ、納豆などの発酵食品がこれにあたります。
善玉菌が作る乳酸や酢酸によって腸の動き(ぜん動運動)が活発になり、便秘が解消されます。悪玉菌が増えるのを抑えて腸内細菌のバランスを整え、免疫の働きを高めて感染症にかかりにくくしたり、アレルギーを抑えたりする効果も期待されています。
発酵食品は日持ちがするうえ、発酵によって新しい栄養やうまみが生まれます。味噌・醤油・納豆など、日本の伝統食は腸活の知恵の宝庫です。
菌の働き
生きて腸に届かなくても大丈夫
食べた乳酸菌やビフィズス菌の多くは、胃酸などで死んでしまい、そのまま腸にすみつくわけではありません。それでも心配はいりません。死んだ菌でも、腸の中で悪玉菌の増殖を抑えたり、善玉菌が増えるのを助けたり、腸の免疫を活性化したりすることがわかっています。
実際に腸内環境の改善に働いているのは、菌が作る物質や菌の体の成分だと考えられています。病院で処方される整腸剤にも、生きた菌ではなく死菌を使ったものがあります。
ポイントは「毎日続ける」こと
食べた菌は腸にすみつきにくいため、一度にたくさんより、毎日少しずつ続けて食べるのがおすすめです。
食品の選び方
おすすめの発酵食品
ヨーグルト
- 発酵でたんぱく質が一部分解され、消化吸収しやすい
- 乳糖が一部分解されていて、おなかがゴロゴロしにくい
- カルシウムが乳酸と結びつき、牛乳より吸収されやすい
- 砂糖の入っていないものを選び、果物で甘みを
ナチュラルチーズ
- 生きた乳酸菌がヨーグルトと同じくらい含まれる
- 加熱して作るプロセスチーズは、乳酸菌が死滅している
- 塩分と脂肪があるので、量はほどほどに
味噌・醤油
- 大豆を麹・乳酸菌・酵母で発酵させた日本の伝統食
- 良質なたんぱく質・アミノ酸・ビタミン・ミネラルが豊富
- 茶色の成分メラノイジンには強い抗酸化作用
- 塩分が多いので、だしをきかせて減塩を
キムチ・ぬか漬け
- 乳酸発酵で生まれる酸味が特徴
- 唐辛子の辛み成分カプサイシンは、エネルギー消費を高める
- 白菜漬けなど日本の漬物も同じ効果が期待できる
- 塩分が多いので、食べすぎに注意
発酵で生まれる栄養
日本の誇るスーパーフード「納豆」
納豆は、大豆そのものの豊かな栄養(たんぱく質・食物繊維・ミネラル・イソフラボン)に加えて、発酵によって新しい栄養が生まれます。それがビタミンKとナットウキナーゼです。
- ビタミンKは、骨でカルシウムとたんぱく質を結びつけて骨を丈夫にします。納豆をよく食べる地域では、骨折が少ないことがわかっています。
- ビタミンKは血管で、血管の石灰化(動脈硬化)を防ぐたんぱく質を働かせます。
- ナットウキナーゼは、血液のかたまり(血栓)を溶かす働きが知られています。
- 納豆菌そのものもプロバイオティクスとして腸内環境を整えます。
骨粗しょう症と血管の病気の両方を防いでくれる、毎日1パック食べたい日本の健康食品です。
ワルファリン(ワーファリン)を飲んでいる方へ
血液をサラサラにする薬のワルファリンは、ビタミンKによって効き目が弱まります。ワルファリンを服用中の方は、納豆を食べないでください。青汁・クロレラなども同様です。ほかの血液をサラサラにする薬については、主治医にご確認ください。
組み合わせ
プロ+プレ=シンバイオティクス
善玉菌そのもの(プロバイオティクス)と、善玉菌のエサ(プレバイオティクス)を一緒にとることをシンバイオティクスといいます。オリゴ糖を含む乳酸菌飲料などがその例です。
院長がかかわってきた名古屋大学の外科(旧第一外科)では、難しいおなかの手術の前後にシンバイオティクスをとることで、手術後の感染症が減ることが確かめられています。消化器の手術をまとめたデータでは、感染症のリスクがおよそ半分に減ったと報告されています。腸内環境を整えることが、体を守る免疫の維持に役立つことを示すデータです。
ヨーグルト+バナナ
味噌汁+わかめ
納豆+オクラ
ぬか漬け+玄米ごはん
今日からできる、プロバイオティクス
- 毎日1品、発酵食品を。朝のヨーグルト、夕食の納豆など、習慣にしやすいものから。
- 味噌汁は具だくさんに。野菜やきのこ、海藻を入れて、汁は少なめにすると減塩にも。
- 漬物・キムチは小皿で。塩分が多いので量はほどほどに。
- 食物繊維と一緒に。善玉菌のエサも一緒にとると効果的です。
- 無糖・減塩のものを選ぶ。砂糖や塩のとりすぎは、血管にはマイナスです。
食物繊維・オリゴ糖については腸活①プレバイオティクス、腸活の基本は腸活しようのページもご覧ください。