血管を若くしよう
抗酸化の栄養
血管を若くしよう|食品と栄養 ①
体のさびを防ぐ
抗酸化の栄養
動脈硬化や老化の一因となる「活性酸素」。野菜・果物・ナッツに含まれる抗酸化の栄養素で、血管のさびつきを防ぎましょう。
院長より
植物は紫外線から身を守るために、色や香りの成分を作ります。色の濃い野菜や果物を、いろいろな種類食べることがいちばんの近道です。
活性酸素と「体のさび」
私たちは呼吸で取り込んだ酸素を使ってエネルギーを作っています。その酸素の一部は、とても反応しやすい「活性酸素」に変わります。活性酸素は本来、体に入った細菌などの病原体を攻撃する大切な役割を担っています。
体には SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)やカタラーゼといった、活性酸素を無害にする仕組みが備わっています。ところが、処理しきれないほど活性酸素が増えると、自分の細胞のたんぱく質や脂質、DNA まで傷つけてしまいます。これが「酸化ストレス」、いわば体のさびつきです。
血管では、悪玉(LDL)コレステロールが血管の壁に入り込んで酸化されると、たまってドロドロの粥腫(プラーク)になり、動脈硬化が進みます。皮膚では、紫外線でできた活性酸素がコラーゲンを壊し、しわ・たるみ・シミの原因になります。
植物は抗酸化のお手本
植物も紫外線を浴び、葉や果実の皮で活性酸素が生まれます。植物は身を守るために色や香りの「抗酸化物質」を作ります。これを食べることで、私たちは不足しがちな抗酸化力を補えるのです。
ビタミン
抗酸化ビタミン「ビタミンACE(エース)」
抗酸化作用のあるビタミンは、A・C・Eの3種類。頭文字をとって「ビタミンエース」と呼ばれます。
ビタミンA(カロテン)
目や皮膚、のど・腸などの粘膜を守り、免疫のバリアーを支えます。にんじんやかぼちゃに多いβカロテンは、体に必要な分だけビタミンAに変わるので、とりすぎの心配がほとんどありません。
レバーやうなぎ、卵などに多いビタミンAそのものは体にたまりやすいため、サプリメントを使う場合は量を守りましょう。
ビタミンC
強い抗酸化力をもつ水溶性のビタミンです。人は体内で作れないため、食べ物からとる必要があります。
血管や皮膚のコラーゲンを作るのに欠かせないビタミンで、不足すると血管がもろくなり出血しやすくなります。シミのもとのメラニンを薄くする働きもあります。熱と水に弱いので、ゆですぎず、蒸したり汁ごと食べたりする工夫を。
ビタミンE
細胞膜の脂質や、血液中のLDLコレステロールが酸化されるのを防ぎ、動脈硬化の進行を抑えます。血管を広げる物質の放出を促して血行をよくし、血栓をできにくくする働きもあります。
アーモンドは20粒ほどで1日の目安量に近いビタミンEがとれます。魚は一度に食べる量が多いので、効率のよい供給源です。
ビタミンCとEはチームで働く
活性酸素と戦って酸化されたビタミンEは、ビタミンCによって元に戻り、再び働けるようになります。果物と、ナッツや魚を組み合わせて食べるのがおすすめです。
ファイトケミカル
色と香りの力「ファイトケミカル」
ファイトケミカルとは、植物が紫外線や虫、病原体から身を守るために作る、色・香り・辛み・苦みの成分です。抗酸化作用のあるものが多く、老化や動脈硬化を防ぐ働きが期待されています。
ポリフェノール
- アントシアニン(ブルーベリー・なす・紫いも)…目の健康に
- カテキン(緑茶)…抗菌作用、脂肪や糖の吸収をおだやかに
- カカオポリフェノール(高カカオチョコ・ココア)…血管を広げる NO を増やす
- ルチン(そば)…毛細血管を丈夫に。そばは低GI食
- ケルセチン(玉ねぎ・ブロッコリー)…油と一緒で吸収アップ
- クロロゲン酸(コーヒー)…血糖値の改善、炎症を抑える
- クルクミン(ターメリック・カレー)…抗炎症作用
- レスベラトロール(ぶどうの皮)…抗酸化・抗炎症
カロテノイド
- βカロテン(にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・小松菜)…紫外線でできる強力な活性酸素を消す。加熱や油で吸収アップ
- リコペン(トマト・すいか)…強い抗酸化力。油と一緒に
- アスタキサンチン(鮭のピンク色)…抗酸化作用
含硫化合物(香り・辛み)
- アリシン(にんにく・玉ねぎ・ねぎ・にら)…ビタミンB1と結びついて疲労回復
- イソチオシアネート(大根おろし・わさび・からし)…抗菌・抗酸化、肝臓の解毒を助ける
- スルフォラファン(ブロッコリー・スプラウト・キャベツ)…抗酸化・解毒作用
刺激が強いので、食べすぎると胃に負担がかかります。
特定の成分より「いろいろな色」
ファイトケミカルの種類はとても多く、どれか一つが特別によいわけではありません。たくさんの種類の野菜・果物を食べることが、体のさびつきを防ぐいちばんの近道です。
抗酸化の栄養を上手にとるコツ
- 色の濃い野菜・果物を毎日いろいろ。赤・橙・緑・紫・白をそろえるつもりで。
- カロテン・リコペン・ビタミンE・ケルセチンは油と一緒に。炒め物やドレッシングで吸収がよくなります。
- ビタミンCは加熱しすぎない。生で、または蒸す・汁ごと食べる調理で。
- おやつはナッツや果物に。チョコレートならカカオの多いものを少量。
- 玉ねぎはよく炒めて。甘みとこくが出て、スープやカレーがおいしく健康的に。
- 赤ワインは飲むなら1日1杯まで。抗酸化のためにお酒を飲み始める必要はありません。
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このページは、院長の著書『血管を若くする最強メソッド5』の内容をもとに、ホームページ向けにまとめ直したものです。持病のある方や治療中の方は、食事の内容について主治医にご相談ください。
監修:福地クリニック院長 山本清人(経歴・資格)