血管を若くしよう
腸活①プレバイオティクス
血管を若くしよう|食品と栄養 ⑤
善玉菌を育てる
プレバイオティクス
腸内の善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を「プレバイオティクス」といいます。善玉菌を元気にして、腸から全身と血管の健康を守りましょう。
院長より
日本人の食物繊維は年々減っています。野菜・豆・きのこ・海藻を、毎食どれか一つ加えることから始めましょう。
腸活とは
腸の中には1000種類以上、約100兆個もの細菌がすんでいて、体によい働きをする善玉菌、体に悪い働きをする悪玉菌、どちらでもない日和見菌に分けられます。悪玉菌も不要というわけではなく、大切なのはお互いのバランスです。
バランスが崩れると、便秘になったり、免疫が弱ったり、太りやすくなったりします。腸によい食べ物を積極的に食べて腸内環境を整え、全身の健康を保つことを腸活といいます。便通がよくなる、よく眠れる、肌荒れが改善するといった変化は、多くの方が実感できます。
腸は口から肛門までつながった、いわば「体の外」です。腸の粘膜は、食べ物と一緒に入ってくる病原菌が体の中に入り込むのを防ぐ、大切なバリアーになっています。
腸活の食べ物
プレバイオティクスとは
腸活によい食べ物は、大きく3つに分けられます。
- プロバイオティクス…善玉菌そのもの。ヨーグルトや納豆などの発酵食品(腸活②)
- プレバイオティクス…善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖(このページ)
- シンバイオティクス…両方を組み合わせたもの
プレバイオティクスは、胃や小腸ではほとんど消化・吸収されずに大腸まで届き、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになります。善玉菌を増やして元気にすることで、全身の健康によい効果をもたらします。
腸内細菌のはたらき
善玉菌が作る「短鎖脂肪酸」
善玉菌は、食物繊維やオリゴ糖をエサにして発酵させ、乳酸・酢酸・酪酸などの短鎖脂肪酸を作り出します。この短鎖脂肪酸が、腸と全身の健康を支えています。
- 腸の中を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖や病原菌による感染を抑えます。
- 大腸の粘膜のエネルギー源となり、腸のバリアー機能と免疫を保ちます。
- カルシウムなどミネラルの吸収を助けます。
食物繊維
2つの食物繊維
食物繊維は、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」の2種類があり、それぞれ違う働きをします。両方をバランスよくとりましょう。
水溶性食物繊維
こんにゃくのマンナン、果物のペクチン、海藻のぬるぬる成分など。水に溶けてゼリー状になり、糖や脂質の吸収をゆっくりにします。ナトリウム(塩分)を吸着して体の外に出す働きもあり、善玉菌のエサになります。
不溶性食物繊維
ごぼうや豆、きのこ、穀物の外皮などに含まれるセルロースなど。水分を含んで便のかさを増やし、腸の動きを活発にして便通をよくします。悪玉菌が作った有害な物質も一緒に外へ出してくれます。
善玉菌のごちそう
オリゴ糖
オリゴ糖は、糖が3つ以上つながった炭水化物です。消化されにくく、大腸でビフィズス菌などのエサになります。砂糖よりさわやかな甘みで、カロリーが低いのも特徴です。
大豆にもオリゴ糖が含まれているため、豆腐や納豆、味噌汁は腸活の強い味方です。
全身へのはたらき
腸から血管、そして心まで
プレバイオティクスには、食後の血糖値の急な上昇を抑え、脂質の値やインスリンの効きをよくする働きがあります。生活習慣病を防ぎ、血管の老化を防ぐことにつながります。便通を整えて大腸の健康を保ち、アレルギーを抑えたり免疫を強くしたりする効果も報告されています。
腸にはたくさんの神経があり、脳と密接につながっています(腸脳相関)。ストレスでおなかの調子が悪くなるのはこのためです。心を穏やかにする神経伝達物質セロトニンは、その約9割が腸で作られています。腸内細菌が作る短鎖脂肪酸は、セロトニンづくりにも関わると考えられています。
日本人の食物繊維は不足ぎみ
日本人が食べる食物繊維の量は、だんだん少なくなっています。厚生労働省は、成人男性でおよそ20g以上、女性で18g以上を目標としています。海外の研究では、1日24g以上とることで、脳卒中や心臓病、がんの予防効果が示されています。
今日からできる、プレバイオティクス
- 汁物に、わかめ・きのこ・玉ねぎを。毎食どれか1つ加えるだけで変わります。
- 常備菜に、ひじき煮やきんぴらごぼう。不溶性食物繊維がたっぷり。
- 主食に玄米や雑穀を少し混ぜる。低GIで血糖値の上昇もおだやかに。
- おやつにバナナや果物。無糖ヨーグルトと合わせればシンバイオティクスに。
- 水分もしっかり。食物繊維を増やすときは、水分と一緒にとりましょう。
腸活の基本は、腸活しようのページでも紹介しています。